気管支喘息
概念
気管支喘息とは、気道の慢性的な炎症により気道が狭くなったり(これは発作の時に一時的に起こります)、気道が過敏になったりする事です。
発作的に咳・喘鳴・呼吸困難といった症状を繰り返します。
原因
- 大人の場合:遺伝、アレルギー疾患、非ステロイド抗炎症薬(アスピリンなどの薬剤)
- 子供の場合:アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎などを合併する事が多い
- リスク:喫煙、ペット飼育、飲酒、運動、寒暖差、月経など
原因やリスクを取り除く方法
- 暖房器具:電気ヒーターは増悪の原因となる
- ペット:抗原の皮膚テストにて陽性となった場合はペットを引き離す
- カーペットやじゅうたん:ハウスダストやダニのアレルギーがあれば交換する
- 室内のカビの有無:掃除や戦場にてハウスクリーニングを行う
- 喫煙:同居者も含め禁煙する
- 職場:粉塵や化学薬品吸入のリスクがあれば原因となっている可能性もあり
症状
- 咳・喘鳴・呼吸困難といった症状を繰り返す
- 夜間〜早朝にかけて悪くなる咳
検査
スパイロメトリーと呼ばれる吸入器と吸入薬剤を使用して診断します。
(現在コロナ対策のため行っておりません)
治療
① 喘息のリスクの除去
② 治療薬:吸入ステロイド薬が基本(早期治療が推奨されています)1)
発作時には発作治療薬を使用する
治療の目標は、
・普段の症状を安定させる(喘息コントロールテスト ACT ⇦環境再生保全機構ACTチェック)
・気道や肺機能の状態を維持する
・発作を予防する
・喘息死させないこと
です。
よくある質問
Q吸入ステロイドに副作用はないのですか?
全身性の副作用はほぼありません。ただ、声がれが出る事がありその場合は薬剤を変更する事で対処します。口の中の違和感や口の中にカビが生える(カンジダ症)こともありますが、吸入後にうがいをする事で予防できます。
Q気管支喘息は治るのですか?
子供の場合、喘息のリスクを取り除いたりしっかりと治療を行う事で治ることもあります。無治療・無症状で呼吸機能が正常な状態が5年経過した場合治癒したと考えます。しかし、子供の時に治っても再度大人になって喘息になることもあります。
大人の場合治療薬をなくすと再燃する可能性が高く、中止するのは難しいです。
文献
1)Lancet. 2003 Mar 29;361(9363):1071-6, Romain A Pauwels